【開催報告】2025年 子どもアドボカシー全国セミナー

【開催報告】2025年 子どもアドボカシー全国セミナー

全国子どもアドボカシー協議会では、交流・研鑽事業の1つとして「⼦どもの声を⼤切にし、ともに⽣き育ちあう社会」の実現に向けて何が必要かを考え、議論し、深めることを目的に毎年「子どもアドボカシー全国セミナー」を開催しています。

2025年5月11日(日)、全国子どもアドボカシー協議会は、東京・サイボウズ本社およびオンラインにて「子どもアドボカシー全国セミナー」を開催しました。全国各地から153名(会場にて63名参加)の方々よりお申込みいただき、「子どもの声を“つかむ・ふかめる・ひろげる”」というテーマのもと、小児医療、子どもの遊び場など様々なフィールドの実践者・当事者が語り合いました。

ご参加いただいた皆さま、開催にあたりご支援いただきました皆さま、ありがとうございました。

ご来賓の挨拶では、こども家庭庁支援局 虐待防止対策課長 野中祥子さまと、SBI子ども希望財団 理事長 世耕久美子さまより、ご挨拶を賜りました。

午前中は、全国で活動するアドボケイトの方々などを対象に、「アドボケイト交流会」を実施いたしました。

「事業運営に関して」「アドボケイトの訪問活動に関して」「すでに活動している方&これから活動をスタートする方の交流」など、いくつかのテーマを設定し、ワールドカフェ形式で実施しました。

(参加者の声)
「現地会場にて、全国で取り組んでいる人と話せたことが何よりの収穫」
「現場で迷っていることを分かち合え、対話の時間は貴重だった」

午後に実施した、メインシンポジウムでは、「子どもに関わる現場でのアドボカシー~当事者・遊びの場・医療・政策、それぞれの立場から考える子どもの声~」をテーマに、当事者、医療、子どもの遊び場、政策など各分野における「子どもの声を聴く」とは、どういうことなのかお話いただきました。当事者の話からは「声を上げること」の背景にある勇気やためらいが伝わり、場に緊張感と真剣さが生まれました。一方で、実際に現場で「子どもの声を聴く」様々な分野の実践者の話からは、子どもの声をどう理解し、どう応えていけるかという実践的な問いや課題が共有されました。参加者からは、「心が動いた」との感想とともに、「今後の自分の現場でどう応答していけるかを考えるきっかけになった」という声も多く寄せられました。

(参加者の声)
「一人ひとりの声に触れながら、それを支える関係性や制度のあり方まで考えることができた」
「当事者の話をリアルな場で聞き、これまで以上に“現実の声”として受け止められた」

シンポジウム後に開催した、学びを深める分科会では、3つの分科会を実施しました。それぞれの立場・現場から、子どもの声をどう捉え、支えるのかを掘り下げました。

■ 乳幼児の分科会:「乳幼児のアドボカシーって、実際どうするの?~乳児院や保育所での実践を通じて~」
乳幼児期の「声」は言葉として現れにくく、大人側の感性や関係性が問われます。保育・乳児院の現場からは、日々のふるまいやしぐさ、表情を読み取りながら子どもの存在を尊重し、信頼関係を築いていく実践が報告されました。また、実践の裏には、保育者やアドボケイト自身の葛藤や気づきがあり、内省しながら“聴く”力を育む重要性が共有されました。

(参加者の声)
「乳児の声を“声”としてとらえることの難しさと大切さを実感した」
「保育の現場で起こっていることが、子どもの権利と深くつながっていることに気づいた」


■ 学校の分科会:「学校でアドボカシーを実践するためには?」
学校現場で「声が届かない」と感じる背景には、教員自身が声を上げられない構造があるという問題が挙げられました。一部の先進的な自治体では、子どもの権利や声を意識した実践が始まっているものの、多くの地域では制度や文化の壁が立ちはだかっています。現場の変化には、校内外の“つなぎ手”の存在が重要であり、参加者からは「実践者自身の言葉で語る姿勢から、制度の変化につながっていく可能性が感じられた」との声もありました。

(参加者の声)
「教職員も声を上げられない状況にあり、構造的な課題があることに気づかされた」
「学校の仕組みそのものを変える必要性を感じた」


■ ピアアドボカシーの分科会:「どう進める? ピアアドボカシー~全国キャラバンの取り組みを通じて~」
2024年度に子どもアドボカシー全国キャラバンに参加した、弊団体の子ども・若者委員や、開催地である福井・群馬にて参加された社会的養護経験者を交えて、キャラバンの感想を伺い、ピア(同じ経験をしている者同士)の支え合いがなぜ大切なのか、について参加者の皆さんとともに考えました。

(参加者の声)
「若者が自分の言葉で語る姿が印象的でした。感情が伝わってきて、資料で見るのとはまったく違う学びがありました」
「若者が語ることで、“こんなことも言っていいんだ”と思える空気が生まれる」

さいごに、セミナー終盤に3つの分科会の報告会を実施。個別の分野にとどまらず、子どもの声が届く社会を目指すうえで、重要な視点について共有されました。

  • 大人が心を整える
    登壇者からは、「子どもは大人のうつし鏡」「大人が心を整え、自らも誰かに話を聴いてもらう体験を持っていることが、子どもへの接し方に影響する」との指摘がありました。
  • 子どもの声をどう受け止めるか
    勇気を出して届けてくれた子どもの声を、言わなければよかったと「後悔の壁」で終わらせない受け皿の用意が必要。生活の中でも、“遊び心”やエンパワメントの重要性が再確認されました。乳幼児や困難を抱える子どもたちの声は、「非言語の表現」として現れるため、システムアドボカシーの重要性が語られました。
  • 共通する「制度の壁」
    どの分科会からも、子どもの声が届きにくい背景には、制度や文化の構造的な壁があるという共通認識が示されました。単に「声を聴こう」と言うだけではなく、声が通る環境や仕組みづくりが重要であることが改めて確認されました。

今回のセミナーで生まれたつながりが、今後、参加者の皆さんの地域・分野を超えた連携等を通じた子どもアドボカシーの拡がりへとつながっていくことを期待したいと思います。

引き続き、ご支援、応援の程、宜しくお願い致します。

【ご支援について】
どの地域においても、子どもたちが等しく意見表明権を行使できる基盤をつくることは、まだまだ時間がかかる活動です。
それでも、弊協議会では「子どもとともに生き育ちあう社会」の実現を目指し、活動を継続していきたいと思います。
一方で、当協議会の運営費用は、私たちの事業を理解して頂いた方々からの助成金や寄付金で大部分を賄っていますが、いまだ十分ではありません。「子どもとともに生き育ちあう社会」は、私たちの力だけでは実現できません。皆さまとのつながりやお力添えが必要です。私たちと一緒に「子どもとともに生き育ちあう社会」を創っていきませんか。
皆さまからのご支援のご協力をよろしくお願いいたします。

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