【開催報告】オンラインセミナー「病気を抱えて生きるこどもたちのこえを聴く」

【開催報告】オンラインセミナー「病気を抱えて生きるこどもたちのこえを聴く」

2026年度 第3回オンラインセミナーを開催しました

全国子どもアドボカシー協議会がおくる、2026年度のオンラインセミナーシリーズ。

今年度は、以下の2つの柱を軸に、おおよそ隔月で多様な分野の「子ども/若者の声を聴くこと」について深掘りしています。

全体像の把握:アドボカシーに関わる日本の中の問題(現状と課題)を知る

活動のヒントを探る:異なる分野の実践から、自身の活動へのヒントを得る

第3回となる今回は、講師に、国立成育医療研究センターで小児緩和ケアの実践に取り組む余谷暢之先生をお迎えし、病気を抱えて生きるこどもたちに焦点を当て、「こえ」を聴くことについて考えました。

▼開催概要

日時:2026年9月29日(火)19:00~21:00

形式:オンライン(Zoom)

講師:余谷 暢之先生(国立成育医療研究センター 総合診療部 緩和ケア科 診療部長、成育こどもシンクタンク 戦略支援室)

テーマ:「病気を抱えて生きるこどもたちのこえを聴く~その子らしさを支えるために」

当日の様子

セミナーの前半は、こども一人ひとりの想いや意向を尊重しながら、その子らしい「Life(生き方・生活・人生)」を支える医療の実践に取り組んでこられた講師の余谷先生より、医療現場での様々な出会いとご経験のエピソードを織り交ぜながら、ご講義をいただきました。

冒頭では、医療の進歩によって病気を抱えながら生活するこどもたちが増えている現状や、病院での生活の中でこどもたちが経験するさまざまな喪失についてお話がありました。病院では「安全」や「円滑な医療」が優先され、こども自身が自由に選んだり、行動したりできる範囲が狭くなってしまうこともある。そうした環境において、こどもの「こえ」を聴くとはどういうことなのか、ご自身の医師としての経験を振り返りながらお話しされました。

また、入院経験のあるこどもたちとともに病院のあり方を考える取り組みなども紹介され、こどもの声を聴くだけでなく、その声をもとに一緒に考え、医療や社会のあり方を変えていくことの大切さについてもお話しいただきました。

セミナーの後半は、参加者同士のグループディスカッションを通して、前半のご講義について感想を共有し、意見交換を行いました。

グループの代表者から話し合った内容が発表され、それぞれのグループから出された疑問や意見をもとに、講師との間で熱のこもった対話が繰り広げられました。

一部をご紹介します。

・医療チームのカンファレンスに、こども本人が参加することはあるのか?

・こどもが言葉にしたことが、本当の思いとは違うように感じた場合は?

・医師国家試験にアドボカシーを入れるのはどうか?

・治療を選択するとき、医療者の思いとこどもの思いが違う場合、どう折り合いをつけるのか?


アンケート結果

当日は、こどもアドボカシー事業実施団体を中心に、行政、児童福祉施設、保育園・幼稚園関係者の方など計24名の方が参加されました。アンケートには6名の方よりご回答をいただきました。

▼ご感想抜粋(掲載許可をいただいた回答のみ)

・先生のお話を通して、これまで感じていたことを言語化していただいたような気持ちです。自分の病と向き合うこどもたちを見てきた先生だからこそ経験された、具体例を通して、子供を信じることの大切さ、余裕を持って子どもと接することの重要性を感じました。(行政関係)

・「評価者の視点は、被評価者の振る舞いを誘因する」という話に、これまでの経験からも共感しました。(子どもアドボカシー事業実施団体)


おわりに

本オンラインセミナーシリーズでは、毎回、それぞれの分野の第一線で活躍されている方を講師にお迎えし、貴重なお話を伺っています。今後も多様な分野の「子ども/若者の声を聴くこと」について深掘りしていきます。

今回は、「医療現場」というテーマから、参加前には「なじみのない領域」と感じられた方もおられたかもしれません。しかし、実際にご参加いただき、講師の具体的なエピソードを聴く中で、こどもの「こえ」をどう聴き、そこからどのように関わりや環境を考えていくのか、「自分の経験や視点とこんなにも共通点があるのか」という驚きの声があがりました。

次回のセミナーも、異なる分野の実践から活動へのヒントを得るとともに、講師や他の参加者の皆さんとの交流を通し、アドボカシーを実践する仲間同士で互いにエンパワーしあえる機会になればと考えております。

ご多忙の中、貴重なお時間をいただき、具体的な実践やご経験をお話しいただいた余谷暢之先生に、改めて感謝申し上げます。

次回、第4回オンラインセミナー(11月30日(月))のお申込みはこちらから ↓