2025年12月13日(土)・14日(日)の2日間、長野県安曇野市にて「全国キャラバンinながの」を開催いたしました。
長野県社会福祉士会との共催により、「子どもの権利×まちづくり」をテーマに、市民、行政、支援者、そして子ども・若者当事者が集い、語り合った2日間の様子をご報告します。
人々が暮らす「まち」には、大人だけでなく子どもや若者も暮らしています。しかし、そのまちづくりのプロセスに、子どもたちはどこまで関わってこれたでしょうか。
本キャラバンは、長野県で制定された「子どもの権利条例」を理念だけで終わらせず、生きた実践として地域に根付かせたいという願いからスタートしました。
子どもや若者が「未来のまち」を考えた経験がかけ合わさった時、今までとは違う「まちの景色」が見えてくるはず。そんな想いを胸に、2日間のプログラムを実施しました。
(プログラム詳細は開催告知ページを参照ください)
初日は、豊科交流学習センター「きぼう」にて、一般公開のセミナーとワークショップを行いました。
■「代弁」から「エンパワメント」へ
セミナーやトークセッションでは、アドボカシー(意見表明等支援)の本質について深掘りしました。
参加者からは、「アドボカシーとは単なる『代弁』ではなく、その先にある『子ども自身が声を上げられるようになるためのエンパワメント』であると気づき、胸に落ちた」という感想が多く寄せられました。
大人が先回りして答えを出すのではなく、子どもが意見を形成し、表明し、実現していくプロセス全体をどう支えるか。子どもに関わる大人の在り方を省みる深い学びの時間となりました。
(第1部「当事者参画から広がる『まち』の可能性~子どもの権利をまちづくりへ~」の様子)
(第2部では、「声を『まち』のみらいにつないでいく」をテーマにトークセッションを行いました)
■「まち」を自分ごとに考える
第3部のグループワークでは、「『まち』を自分ごとに考える」をテーマに、6つの切り口からワークを実施しました。大人の視点だけでなく、「子どもだったらどう感じるか?」という視点も入れながら地域資源を見直す試みです。
①まち”で暮らす、子どもが生まれる前から、子育て世代にかけた方の声をどのようにして聴き、どのような場所に届け、応答していくのか?
②若者が "まち" のことを考え、表現する機会や場所って、どういうアイディアがある?
③社会的養護(施設と言われる形態、ないしは一時保護で帰宅したこどもも含め)で暮らしている、または経験のあるこども若者を"まち"のなかで支えるためには?
④その場所で暮らす市民が“まち”のことを考え、地域や行政へと声を届けるためには?
⑤“まち”で暮らすこどもの声や意見をかたち作るためには、私たちはどこで、どんなかたちで、参画のデザインをすることができるのか?
⑥“まち”で暮らす、弱い立場に置かれてしまった人の声をどのようにきき、まとめ、届けていくのか?
6つのグループに分かれたのち、この問いを持って各グループで話し合う時間がもたれました。どこのグループも熱く語る姿があり、この問いを長野県の皆さんと共有いたしました。私たちこども若者委員会としても長野の皆さんの力強さに勇気や元気をもらいました。
「長野にはお節介をしてくれる温かい人がたくさんいる」という地域の強みが再発見される一方で、制度の隙間にある課題も出てきました。「自己決定が幸福度を上げる」というキーワードを軸に、参加者各々が、地域全体で子どもの声をどう聴き、応答していくかを考える時間となりました。
<参加者の声>
「聞く、応答する、届けるをセットで考えることが大切だと学びました」
「いい母親、いい支援者にならなければと自分を追い詰めていましたが、主語を『子ども』に戻すことの大切さに気づけました」
「長野市の子どもの権利条例の実践になんとかしてつなげたいです」
(グループワーク発表の様子)
2日目は、社会的養護を経験した子ども・若者を対象としたクローズドなワークショップを、古民家カフェ「遊庵」で開催しました。
■「楽しさ」と「安心」が本音を引き出す
美味しいご飯を囲み、ボードゲームで遊びながらのリラックスした雰囲気のなか、若者たちは「長野でこんなものがあったらいいな」を自由に語り合いました。
「スタッフの人が手助けしてくれたので話せた」
「自分が考えていなかった意見も出てきて発見があった」
「スタッフの皆さんが面白くて話しやすく、本当に楽しかった」
という感想にあるように、安心できる居場所であることこそが、自分の意見を見つけ(意見形成)、言葉にする(意見表明)ための土台になることを、若者たちが証明してくれました。
(ワークショップの様子)
今回のキャラバンを通じて、私たちは二つの大きな成果を得ることができました。
一つは、大人が「子ども若者が主体である」という視点で、まちの景色を捉え直せたこと。もう一つは、若者たちが「自分の声を聴いてもらえた」「まちの大人を信頼してみようかな」と思っていることを示唆する回答があったことです。
参加者のアンケートには、「継続的な学びの場がほしい」「実践を広げていきたい」という意欲的な言葉が溢れていました。この熱を冷ますことなく、長野の地で「子どもの権利」が当たり前の日常となるよう、私たちはこれからも地域の方々と共に歩んでいきます。
ご参加いただいた皆様、共催の長野県社会福祉士会の皆様、そして温かい場を作り上げてくださったすべての関係者に心より感謝申し上げます。
どの地域においても、子どもたちが等しく意見表明権を行使できる基盤をつくることは、まだまだ時間がかかる活動です。それでも、弊協議会では「子どもとともに生き育ちあう社会」の実現を目指し、活動を継続していきたいと思います。一方で、当協議会の運営費用は、私たちの事業を理解して頂いた方々からの助成金や寄付金で大部分を賄っていますが、いまだ十分ではありません。「子どもとともに生き育ちあう社会」は、私たちの力だけでは実現できません。皆さまとのつながりやお力添えが必要です。私たちと一緒に「子どもとともに生き育ちあう社会」を創っていきませんか。皆さまからのご支援のご協力をよろしくお願いいたします。
■さまざまなご支援のかたちがあります
●今回のみ寄付:寄付をする ※今すぐ支援を始めたい方へ
●マンスリー寄付:月額で支援する ※継続的に活動を支える毎月のご寄付です。月々500円からご支援いただけます
●スマート寄付アプリ「GOJO」:GOJOについて ※スマホアプリから、ポイント付きで少額寄付が可能
●会員になる:個人会員申込み │ 団体会員申込み ※一緒に活動を支えたい方へ
※ほか、ご支援に関する詳細は、こちらのページよりご確認ください。
ぜひ、ご支援のご協力をお願いいたします。